総合金融化戦略の優位性

アイフルグループが「総合金融化戦略」を展開するには、大きく分けて3つのメリットがあります。1つ目は収益源の多様化による「安定的利益成長の維持」、2つ目は事業ポートフォリオの多様化による「事業リスクの分散」、3つ目は高い財務レバレッジによる「資本効率の向上」であります。

(1)「安定的利益成長の維持」
過去10年間では、消費者信用市場全体の規模がほぼ横ばいで推移する中、最も高い成長を実現したのが、消費者金融専業会社による無担保の消費者ローンであります。バブル崩壊による日本経済の低迷時期にも、業者の弛まぬイノベーションの成果が消費者に受け入れられたことで、2倍以上の高成長を遂げました。しかし現在、この市場を取り巻く環境にも少しずつ変化の波が押し寄せています。まず、無担保ローンを利用する顧客の過半数は20代〜30代であるため、現在の少子高齢化の進行による影響から、この世代の人口は既に減少を始めています。また、消費者金融の高収益性から、IT企業による市場への新規参入や銀行と大手消費者金融会社との資本・業務提携、クレジットカード会社のキャッシング部門強化など、業界環境の変化が著しく、供給源の多様化による顧客分散化傾向が見られます。

そこで、アイフルグループは自らが業態の枠組みを越え、消費者信用市場全体の規模と成長性に着目し、「クレジットカード事業」や「事業者ローン事業」へと経営資源を優先的に投下することによって、グループ全体の経営体質、収益力強化を図りました。総合金融化戦略の施策として、「複数ブランド戦略」及び「商品多様化戦略」を積極的に推進することによって、「事業ポートフォリオの多様化」が進み、幅広い収益源を確保することができました。



(2)「事業ポートフォリオの多様化とリスク分散」

事業領域を消費者信用市場全体に拡大したことにより、事業ポートフォリオの多様化が着実に進展しました。下図はアイフルグループの営業債権ポートフォリオの推移を示したグラフです。1999年3月期から2008年3月期にかけて、グループ全体の残高成長を維持しながら、債権ポートフォリオの組み替えが順調に推移しています。1999年3月期の無担保ローン82.4%、不動産担保ローンなど17.6%と消費者金融中心のシンプルな残高構成比であったのに対し、クレジットカード分野のライフ、事業者ローン分野のビジネクスト、シティズが高成長を維持していることから、2008年3月期には無担保ローンの占有率が63.9%まで低下し、クレジットカード、事業者ローン、信用保証など事業の比重が順調に高まってきました。なお、中長期的には、無担保ローンの占有率を50%程度まで引き下げる方針です。

事業ポートフォリオの多様化は、リスク分散を図るといった面でも、非常に有効な施策です。例えば、2008年3月期におけるアイフル単体の無担保ローン貸倒償却率は16.97%ですが、不動産担保ローンは7.39%、ライフのクレジットカード事業は5.09%にとどまっています。また、利息返還請求の大半が無担保ローンで発生しています。無担保ローン債権の比率を引き下げることによって、利息返還金、あるいは事業関連法令の改正といったさまざまなリスクのヘッジにも有効であると考えています。



(3)「財務レバレッジの向上」
多くの消費者金融会社から見られる特徴でもありますが、消費者金融専業市場の成熟化によって、営業資産の成長は見込めない一方で、高い利益率により株主資本が積み上がる構造になっています。つまり、自己資本比率は上昇を続けることで、財務レバレッジの低下を招き、資本効率(ROE)の悪化に繋がります。一方、アイフルグループでは、これまでM&Aなどを通じて積極的に営業資産の拡大を図りました。株主資本の膨張を抑制し、BBB(S&P)、Baa2(Moody's)といった格付けを獲得する一方で、財務レバレッジを利かせながらROEの向上に努めてまいりました。今後も資本効率と財務の安定性のバランスに細心の注意を払いつつ、総合金融化戦略における事業ポートフォリオの多様化を促進してまいります。


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